■新加入の甲府FWが前半だけで2ゴール

 25年の甲府は、大塚真司監督(50歳)のもとで3-4-2-1を主戦術とした。渋谷監督も開幕から3-4-2-1で戦っている。ただ、メンバーは入れ替わった。

 昨シーズンのプレータイムがチーム最長のDF孫大河(26歳)がFC今治へ、同4位でチーム最多得点のMF鳥海芳樹(27歳)がJ1昇格の水戸ホーリーホックへ移籍した。さらにプレータイム5位のMF土屋巧(22歳)、リーグ戦全試合に出場した田中雄大(26歳)が、所属元のクラブへ復帰した(田中は復帰後に他チームへ完全移籍)。5人のブラジル人選手も、チームを離れている。

 このハーフシーズンの編成は、守備陣が充実している。

 経験豊富な小出悠太(31歳)、MF登録ながら3バック中央で起用されている遠藤光(25歳)、アカデミー育ちの井上樹(24歳)、186センチのサイズを持つ一瀬大寿(23歳)、RB大宮から期限付き移籍中の福井啓太(23歳)と、人材が揃っている。今シーズンはまだ出場機会がないが、守備の複数ポジションを任せられる山本英臣(45歳)、野澤陸(27歳)もいる。GK河田晃兵(38歳)を含めたディフェンスが機能することでロースコアの攻防へ持ち込み、勝利を手繰り寄せるというゲームプランが成り立つ。

 RB大宮をホームに迎えたこの日は、まさにそういった試合展開だった。14分、甲府陣内でのデュエルから、センターサークル付近の甲府FW太田龍之介へボールがわたる。ファジアーノ岡山から期限付き移籍してきた23歳がペナルティエリア手前まで運んで右足を振り抜くと、CBガブリエウ(31歳)の股間を抜いて左サイドネットに突き刺さった。

 RB大宮は攻撃時に両サイドバックが高い位置を取り、CBもボールを失った瞬間の即時奪回を意識している。守備の矢印が強く前を向く。先制点の場面ではディフレクションのボールが太田の前方へうまく落下したことで、ロングカウンターのスイッチが入った。

 43分の追加点も、太田が決めた。RB大宮がゴールキックからビルドアップを開始すると、甲府は前線からのハイプレスで規制をかけていく。相手MFがキックミスしたボールを、太田がペナルティエリア外から右足で豪快に蹴り込んだ。

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