■WEリーグの新しい力
アグレッシブなプレーで成功を収めようとしているチームの1つが、WEリーグのRB大宮アルディージャWOMENである。
女子アジアカップが開催されている現在、WEリーグは中断中で、クラシエカップ(リーグカップ)のグループステージが行われているが、3月15日の第5節で大宮はサンフレッチェ広島レジーナを破ってグループAの首位に躍り出た。
広島は元日の皇后杯で優勝を決めたチームであり、同グループにはリーグ戦で首位に立っているINAC神戸レオネッサもいるのだから、WEリーグ開幕以来ずっと中位に甘んじてきた大宮(昨季までは大宮アルディージャVENTUS)にとっては大きな出来事と言える。
その大宮を率いるのが、2023-24シーズンに就任した柳井里奈監督。アグレッシブにボールを奪って、速いタイミングで前に運んで勝負する、そんな目指しているサッカーがようやく浸透してきた。
広島との試合では、立ち上がりは苦戦を強いられた。
広島ではトップ下の上野真実が広範囲にポジションを変えて前線にボールを送り、また右サイドバックの嶋田華が中盤に上がって、時には左サイドにまで顔を出す変幻自在の動きをする。そんな広島の選手たちを捕まえきれず、心理的にも全員が受け身になってしまったようだ。
ただ、なんとか失点をせずに耐えているうちにDFが相手を積極的に捕まえにいけるようになって、20分を過ぎて攻めの時間がつくれるようになった。サイドハーフの浜田芽来のドリブルの仕掛けや、その浜田を追い越していくサイドバックの佐藤百音など左サイドで突破口をつくって、29分にMF牧野美優が左から入れたボールを齊藤夕眞がつなぎ、最後は右サイドの宗形みなみが決めて先制。
前半終了間際に広島の中嶋淑乃に決められて同点とされたが、57分にゴール正面でつないだボールを齊藤が最後に決めて勝利を手繰り寄せた。
大宮は、2月に日テレ・東京ヴェルディベレーザと対戦したときも、1点ビハインドで迎えた後半に早めにクロスを入れる積極的な攻撃を見せて同点とし、さらにチャンスをつくってベレーザを追い込んだものの、1対2で敗れた。
東京ヴェルディの城福浩監督や相模原のシュタルフ監督がそうだったように、大宮WOMENの柳井監督もいつも明快な言葉で語る指導者の1人だ。
理念を持った指導者がアグレッシブで魅力的なチームをつくる。それは、トップリーグであるJ1リーグであってもJ3リーグであっても、また女子のWEリーグであっても同じこと。多くのチームがこうした方向に進んでいけば、日本のサッカー全体がもっともっと魅力的なものになっていくことだろう。










