■何度も見せつけていた「武器」

 その稲村は、開幕節の鹿島戦から先発で起用され、アレクサンダー・ショルツとCBでコンビを組んでプレーしていた。そして、同点ゴールの場面だけでなく前半から何度も正確なキックを見せていた。

 最大の特徴は、正確なキック能力を生かしたストレート系のボールによるロングフィードだろう。

 たとえば、前半41分には稲村から左サイドハーフの遠藤渓太までダイアゴナルなパスがつながり、長友佑都とクロスしながら遠藤がドリブルで持ち込もうとして相手のファウルを誘ってFKにつながった場面があった。

 後半に入った67分にも、稲村は右サイドのタッチライン沿いを駆け上がる佐藤恵允の前にスペースを見つけて長距離パスを通した。この場面はチャンスにはつながらなかったものの、正確なロングボールには目を見張るものがあった。

 だから、93分の同点ゴールの場面もまったく意外なプレーではなかったのだ。

(2)へ続く
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