「150億円のパナスタ」と「1569億円の新国立」、天と地ほども違う法人の志と自治体の姿勢【「命名権が安すぎる!」日本のスタジアムの大問題」】(4)の画像
今年の元日、国立競技場は「MUFGスタジアム」となった。建設費1569億円をかけた「日本の誇り」は、わずか年間10億円で「売られ」てしまった。©Y.Osumi
■【画像7枚】年間「2021万円」から「16億円」、「なし」まで千差万別!世界と日本のスタジアムの「値段」

 物価高なのに賃金が安すぎる。円安も止まらない。さらに、日本のスポーツ界には大問題がある。サッカージャーナリスト大住良之は、スタジアムのネーミングライツの安さを問題視している。金額だけではなく、志(こころざし)の問題なのだ!

■パナソニックの大貢献

 その一方で、真逆の例もある。ガンバ大阪のホームスタジアム「パナソニックスタジアム吹田」である。

 このスタジアムは、ガンバ大阪が建設を計画し、約150億円と見積もられた建設費の大半を民間からの寄付でまかなうプロジェクトを進めた。用地は、日本万国博覧会記念機構が所有する大阪府吹田市内の万博記念公園内(1970年大阪万博跡地)を借り受け、さまざまに建設費削減の努力をしながら、4万人規模のスタジアムを約140億円で完成させた。完成は2015年秋、使用開始は2016年だった。

 任意団体(法人格のない団体)である「スタジアム建設募金団体」が集めた募金は、総額約106億円。うち個人が6億2000万円強あった。そして法人からの寄付が約100億円だった。私は6億円も寄付した大阪のサッカーファンは非常に偉いと思ったが、実際にスタジアムが現実のものとなったのは、法人からの寄付が決定的な要因であるのは間違いない。と言っても、そのうち60億円はガンバ大阪の主要株主であるパナソニックからのもので、残りは、パナソニックの関連会社、あるいは取引のある会社だったと聞いた。残りの30数億円は、サッカーくじ(toto)などからの助成金だった。

 すなわち、パナソニックは、スタジアム建設費の43%を負担し、さらに他の法人からの寄付を集めるために尽力し、建設費の7割以上を集める貢献をしたことになる。

PHOTO GALLERY ■【画像7枚】年間「2021万円」から「16億円」、「なし」まで千差万別!世界と日本のスタジアムの「値段」
  1. 1
  2. 2
  3. 3