後藤健生の「蹴球放浪記」第301回「世界は95%の善人からできている」の巻(1)日本じゃなくても「忘れ物が手元に戻ってくる国」はあるの画像
ヴォルゴグラードのスタジアム。背後はヴォルガ川。提供/後藤健生

 蹴球放浪家・後藤健生は世界中でサッカーを目に焼き付けてきた。それと同時に、世界中の人間も見てきた。日本でも世界でも嫌なニュースが目につくが、蹴球放浪家には人間の善性を信じるだけの経験がある。

■どこにでもいる悪人たち

「蹴球放浪記」には、これまで数多くの悪人が登場してきました。

 ブエノスアイレスで僕にピストルを向けてバッグをかっぱらっていった少年2人組とか、アルゼンチンやブラジルで僕のバッグや服に変な臭いのする液体をかけた何人かの“ケチャップ強盗”。ヨーロッパ各国の路上でお出ましになった偽警官たち……。

 アフリカ各国には、さまざまな口実を設けて金をせびりに来る人たちがいました。そして、最初から存在しないファーストクラスのチケットを売りつけたシリア国営航空……。

 まさに、人種や宗教を問わず、さまざまな手口を仕掛けてきました。

 ……といったことを書くと、「海外は危険なところ」とか、「外国人は犯罪者だらけ」といった誤解を持たれてしまいかねません。

 たとえば、「海外では忘れ物をしたら絶対に戻ってこない」といったことがよく言われます。海外在住の人とか、ガイドさんたちが、日本から来た安全ボケしている観光客に警告の意味を込めてこうした言葉を口に出し、それが広まったものなのかもしれません。

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