■イギータのプレーは「当たり前」?

 今のように、サイドバックがインサイドMFとしてプレーしてみたり、いわゆる「レーン」を意識しながら、アウトサイドの選手と被らないような位置を取ったりするようになったのは、せいぜい10数年前からのことだ。

 バイエルン・ミュンヘンでフィリップ・ラームがサイドバックとインサイドMF、インサイドハーフなど複数ポジションをこなしているのを見てビックリしたのがちょうど10年ほど前。Jリーグでは、アンジェ・ポステコグルー監督の横浜F・マリノスでサイドバックの攻撃参加に目を見張ったものだが、それもわずか7年前のことだ。

 だが、今のU-15世代の選手たちにとっては、初めてサッカーを見たり、プレーしたりしたときにはそういうサッカーが普通に行われていたわけである。

 GKがペナルティーエリアから出て、パス回しに加わるなどというプレーも、革新的なものだった。レネ・イギータ(コロンビア)がワールドカップという舞台で、そんなプレーを披露して世界を驚かせたのは1990年のイタリア・ワールドカップでのことだった。

 今では、15歳のGKはそんなプレーを当たり前だと思っている。

 なにしろ、彼ら、彼女らは、そういったプレーを見て育ち、初めからそういうプレースタイルを指導されているのだ。そして、映像があふれかえっている21世紀の今日、彼ら、彼女らは世界トップのプレーの動画をいくらでも観ることができるわけだ。

つづく

 

(3)へ続く
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