Jリーグ屈指の名門である鹿島アントラーズのユースチームが、3冠を達成した。偉業であることは間違いない。だが、サッカージャーナリスト後藤健生の目には、まだ成長の余地があると映っている。
■目を向けるべき問題点
「鹿島のフィロソフィー」ということを考えれば、反省すべきはせっかく1点リードしながら、後半に相手にリズムを与えて同点とされたところなのかもしれない。しっかりとゲームをコントロールしながら45分間を戦って、前半の1点を守り切って(あるいは、2点目を奪って)ゲームを終わらせるのが本来の鹿島の戦いなのだろう。
だが、この試合の流れを考えると、僕は最も反省すべきは「2点目が取れなかったこと」だったような気がする。
もちろん、「1点を守り切れなかったこと」の課題と「2点目が取れなかったこと」の課題には同程度の重みがある。
しかし、どちらに目を向けるかということが重要なポイントなのではないか。
鹿島というクラブの「フィロソフィー」を考えると、もしかしたら鹿島の首脳陣は「1点を守り切れなかったこと」を課題視しているかもしれない(これは僕のまったくの想像である。鹿島のスタッフに質問をしても正直に答えが返ってくるとは思えない)。
だが、あれだけの攻撃のタレントがおり、実際、110分間のうち70分程度はゲームをコントロールして、チャンスをつくり続けていたのだ。「どうして2点目が取れなかったのか」が、不思議にも思えてくる。








