皇后杯のファイナリストが決まった。INAC神戸レオネッサとサンフレッチェ広島レジーナが、元日の国立競技場で激突する。両チームが激闘を繰り広げた準決勝2試合の模様を、日本の女子サッカーの「今後の展望」とともに、サッカージャーナリスト後藤健生が検証する!
■いかにも「準決勝」らしい試合
北日本が大雪に見舞われた12月14日の日曜日。京都府亀岡市のサンガスタジアムもすっかり冷えこみ、上空では日本海から吹き込む強い北風で雲が流されていた。この日、同スタジアムでは2026年元日に東京・国立競技場で開催される皇后杯全日本女子選手権大会決勝への切符を懸けた準決勝2試合が行われた。
2試合ともエンターテインメント性が高い試合ではなかったが、いかにも準決勝らしい激しい試合であり、それぞれのチームの立ち位置だったり、戦い方の違いだったりもはっきりと見える試合だった。
日本の女子サッカーというと、この10年ほど日テレ・東京ヴェルディベレーザとINAC神戸レオネッサ、そして三菱重工浦和レッズレディースの「3強」体制が続いている。
女子サッカー初のプロリーグであるWEリーグでは初年度にI神戸が優勝。その後、浦和が連覇し、4シーズン目の昨季はベレーザが優勝している。
一方、皇后杯では2006年度大会(決勝は2007年1月1日)でTASAKIペルーレFC(その後廃部)が優勝したのを最後に「3強」以外の優勝がない。
2007年度大会から14年間、ベレーザとI神戸がタイトルを独占。2021年に浦和が初優勝し、その後は皇后杯でも「3強」体制が続いている。












