■今年の皇后杯で起きた「大異変」

 ところが、今年の皇后杯では異変が起こった。ベレーザと浦和がそろって3回戦で敗退したのだ。

 ベレーザを破ったのはWEリーグでも上位に付け、今や「3強」を追う存在となっているサンフレッチェ広島レジーナだった。また、ベレーザは女子ACLでミャンマー遠征があり、帰国した直後で気候の変化も大きく難しい状況の試合だった。

 一方、浦和Lはなでしこリーグ(WEリーグ発足後は2部に当たるリーグとなった)、つまり下のカテゴリーの「伊賀FCくノ一三重」に敗れてしまった。

 もっとも、伊賀も女子サッカーの世界では長い歴史があるクラブで、2025年のなでしこリーグ1部では準優勝した強豪。伝統的に堅い守備力を誇っているクラブだった。

 こうして、ベレーザと浦和が早期に敗退してしまった皇后杯。

 今シーズンから宮本ともみ監督が就任して「3冠を目指す」としているI神戸にとっては「1冠目」を獲得する絶好のチャンスとなった。I神戸は、皇后杯では2回戦から出場し、準々決勝までの3試合を無失点で手堅く勝ち進んできていた。

 そして、そのI神戸が準決勝では浦和を破った伊賀の挑戦を受けた。

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