■神戸の「ビッグな補強」
もうひとつの要素が、ヴィッセル神戸の大胆な補強だった。2017年にルーカス・ポドルスキ(ドイツ代表)、2018年にアンドレス・イニエスタ(スペイン代表)と連続して世界的なビッグネームを獲得した神戸は、この年スペイン代表FWダビド・ビジャを戦列に加え、ファンを吸引した。
このシーズン、神戸はアウェイ17試合で総計51万9191人、1試合平均3万541人を集め、他クラブの経営に大きく貢献した。神戸が遠征した17クラブ中、実に8クラブで神戸戦がこのシーズンの最多入場者となった。ちなみに、神戸は全17試合のホームゲームをノエビアスタジアム神戸(収容2万8569人)で開催したのだが、総入場者数は36万5349人、1試合平均2万1491人だった。
この当時の世界各国の国内リーグでは、ブンデスリーガ(ドイツ)が世界最多の観客を集め、4万人台だったが、Jリーグは「ベスト8クラス」というところだった。クラブは観戦環境を整え、ファンサービスに力を入れ、スタジアムグルメを活性化し、さまざまなイベント開催するなど、それぞれに工夫を重ねて観客を伸ばし、「ベスト8」から欧州ビッグリーグの一角を崩す「ベスト4入り(2万5000人台)」を目指していた。












