後藤健生の「蹴球放浪記」第295回「知らないうちに払っている空港でのお金」の巻(2) 2025年アジア杯とE-1選手権で実感、中国と韓国では「現金いらず!」の画像
今年のE-1選手権で優勝した日本。開催国の韓国は、驚くほど変化していた。撮影/原壮史(Sony α1使用)

 蹴球放浪家・後藤健生の前に、新たな壁が立ちはだかる。海外でサッカーを観戦する前に空港で支払う出国税が増額されるらしいのだ。来年のワールドカップを現地で観戦する人にも問題となるが、さて……。

■「現金払い」に泣かされた時代

 昔は、そうした「出国税」や「空港使用料」を航空運賃とは別に徴収していた時代もありました。

 たとえば、日本の空の玄関口、成田空港でも「空港使用料」というのを取られていましたし、海外の空港でも「出国税」なのか「使用料」なのか分かりませんが、やはりお金を徴収されたものです。

 航空会社のカウンターでチェックインを済ませて、「いよいよ搭乗」と安心していると、出国手続き(パス・コントロール)の前に「出国税」の窓口があって、そこで金を取られるのです。

 もう20年以上も前のことですから、たいていの国で「現金」での支払いを求められました。

 当時は、海外旅行に行くときは両替をどうするのかが最大の心配事の一つでした。まだ、海外でクレジットカードを使うのは一般的でなく、カードを扱っていない店もたくさんありました。

 それで、両替が必要なのですが、レートが良いのは銀行なのか両替商なのか、その国の事情を調べなければなりませんでした。

 そして、余った外貨を円に戻すのにも手数料がかかりますから、両替するには必要最小限の金額にしたほうがいいわけです。ただ、現金が足りなくなると再び両替しなければなりません。

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