■地上波3局で「日本戦や決勝戦」を中心に放送
ワールドカップ・アメリカ大会のテレビ放映はNHKだった。これは1978年に始まった国際サッカー連盟(FIFA)とNHKを含む世界の「公共放送連合(インターナショナル・コンソーシアム)」の契約が更新されていたためである。
FIFAはワールドカップをできるだけ多くの人に見てもらうことを目指していた。そのために、商業的な民間放送局ではなく、日本で言えばNHKのような公共放送で中継してもらおうと、「コンソーシアム」と契約を結んだのである。ただその狙いは、「世界大衆のスポーツだから」という清いものなどではなく、視聴者数を増やすことによって大会の公式スポンサーを獲得しようという意図だった。
その契約が更新され、1990年から1994年、1998年までの3大会の放映権料は3大会総額で3億4000万スイスフランとなっていた。1994年当時の1スイスフランは約75円だったから、3大会でFIFAが手にするテレビ放映権収入は、255億円程度、1大会100億円に満たないほどだったのである。そのうえ日本は「サッカー後進国」のひとつだったから、NHKに多額の放映権料が割り当てられるわけではなく、単独で対応することができた。NHKは地上波とBSをフル稼働し、1990年イタリア大会に続いて全52試合を放映した。
「テレビ放映権が最も大きな収入になる」とFIFAが気づき、「コンソーシアム」と手を切って一挙に1大会1000億円を超す放映権収入を得るようになるのは、2002年の日韓大会以降のことである。そして2026年大会では、FIFAが要求する放映権料総額は6000億円規模になると言われ、日本にも推定350億円が割り当てられたことで交渉は難航したが、今回はDAZNが全試合をネット配信し、NHK、日本テレビ、フジテレビの3局が日本戦や決勝戦を中心に地上波で放送することになりそうだ。










