Jリーグ入りを目指すクラブの「最初の関門」となるのが、全国地域チャンピオンズリーグである。今後の日本サッカーの底上げのためにも、同大会は「変革の時期」に来ていると言うのは、サッカージャーナリスト後藤健生だ。どのような「変革」が必要なのか?
■連戦に耐える「力」や「運」も必要
こうなってくると実力だけでは勝ち抜けない。連戦に耐える力も必要だし、対戦順やグループ分けの運、不運も作用する。
たとえば、JFLへの自動昇格を決めたジェイリースFCは1次ラウンドのグループCではVONDS市原FCに敗れて2位に終わったが、FC徳島相手に5対1で勝利したおかげで「2位の最上位」、つまりワイルドカードとして決勝ラウンドに進んできたチームだった。
一方、準優勝して入替戦への権利を獲得したV市原は関東リーグで4位に終わっていた。その後、全社で3位決定戦に勝利したことで地域CL出場権をなんとか獲得。さらに決勝ラウンドが地元開催という幸運も生かして準優勝をつかみ取った。
ひとつの問題点は、リーグの昇格を争う戦いのはずなのに「全国社会人選手権大会(全社)」というカップ戦の成績が加味されるところだ。
全社というのは全国の地域リーグよりさらに下位のリーグのチームも参加できるオープンなカップ戦だ。たとえて言えば、J2リーグでは下位に終わったものの、天皇杯で上位に進出したチームがJ1参入プレーオフに参加するようなものだ(ただし、「全社枠」で地域CL出場権を得られるのは、地域リーグ1部加盟チームだけだが)。
つまり、下部リーグからJリーグを目指すクラブにとっては、地域CLを勝ち抜いてJFL加盟を勝ち取る段階が最大の難所となるのだ。








