■カウンター特化型の「弱点」?

 しかし、チャンスはつくれていてもなかなかゴールが奪えない……。そうなると、今度は逆に「焦り」の気持ちが強くなってしまう。「早く決めなくては」という意識が高まるとともに攻撃が強引になり、精度が落ちていってしまう。

 そうしたメンタル的な動きが、この“失態”の最大の原因だった。

 若い選手たちなので仕方がないことなのかもしれない。逆に考えれば、彼らにとっては良い経験だった。明らかな格下を相手に、どのような気持ちを持って試合に入るのか。なかなか点が取れない中で、どのように気持ちをキープするのか……。

 そして、もう一つ、指摘することができるとすれば、「カウンターに特化した」今回のU-17日本代表にとって自分たちがボールを保持し、パスを回してビルドアップして相手を崩すというのが難しかったのかもしれない。

 攻め込んでくる相手の裏を取ってロングボールから起点をつくる。あるいは、相手がパスをつなごうとするところでプレッシャーをかけてミスを誘発し、奪ったボールを素早く回して得点につなげていく。

 モロッコ戦、ポルトガル戦で日本チームが決めた得点はすべて、このどちらかのパターンだった。

  1. 1
  2. 2
  3. 3