格下ニューカレドニア相手に「シュート35本」放って無得点、スコアレスドローが示す「メンタル」の重要性【U-17ワールドカップで日本代表が示した「進化の証」と「頂点への道」】(3)の画像
ドイツ代表も破るまでになった日本代表に対し、世界の見る目は変わってきている。だが、自分たちが油断することがあってはならない。撮影/渡辺航滋(Sony α1使用)

 現在、サッカーのU-17ワールドカップがカタールで開催されており、若き日本代表も世界を相手に奮闘している。日本代表はグループステージを突破したが、ここまでの戦いぶりと、ここから先の道筋を、どうとらえていくべきか。サッカージャーナリスト後藤健生が考察する。

■日本チームの「大きな失敗」

 さて、話をU-17ワールドカップに戻そう。シュート35本を打ちながらスコアレスドローに終わったニューカレドニア戦である。

 たしかに、GKニコラ・クトゥランをはじめ、ニューカレドニアの守備陣の健闘は称賛すべきものがあった。あれだけゴール前を固められれば、難しい試合になる。

 だが、いずれにしても90分の間にあれだけチャンスをつくりながら決めきれなかったことは日本チームの大きな失敗だった。

 最大の原因はメンタル面だろう。

 おそらく(いや、間違いなく)試合前から「相手は格下だ」という意識があったのだろう。人間としてそういう考えになるのは仕方のないことだし、実際、あらゆる意味で日本の選手とニューカレドニアの選手の間にはサッカー・スキルの面で大きな差が存在した。

 その結果として開始早々からボールを持つ時間も長くなったし、パスも回せる。そして、さらにシュートチャンスもつくることができた。そのことによって、「いつでも点が取れる」といった意識が生まれてしまったのだろう。

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