■90分間で「20本シュート」も引き分け
広島の今シーズンの最大の課題は決定力だった。多くのチャンスをつくりながら、なかなか得点に結びつけることができないのだ。
僕は、9月末にAFCチャンピオンズリーグ(ACL)エリートの試合を観戦に広島まで行った。9月30日の広島対上海海港(中国)の試合だ。
その試合で、広島は完全にゲームを支配していた。そして、24分にCKから荒木が決めて広島が先制。リードした広島はその後もチャンスをつくり続け、公式記録によれば90分で20本ものシュートを放った(上海海港のシュートは5本)。
だが、広島は追加点を取ることができず、83分に失点して引き分けに終わり、勝点2を失った。そして、試合後の記者会見でミヒャエル・スキッベ監督はこう語ったのだ。
「今シーズンを象徴するような試合だ」と。
それは、試合を批評するジャーナリストが言うべき言葉であって、監督が言うべきセリフではないような気がするのだが、まさにその通り。
もし広島が効率的にゴールを決めることができていれば、当然、鹿島や柏と並んでリーグ戦のタイトルを争っていたはずだ。
そんな事情もあって、広島は柏との決勝戦ではセットプレーを狙っていたようだ。









