■ワールドカップで「初めて」導入

 さて、日本代表ブラジル代表に「快勝」し、このところ少し湿りぎみだった日本代表人気を燃え上がらせた。となると、気になるのは、来年のワールドカップである。

「北中米大会」と、森保一監督は表現した。アメリカを主体に、カナダとメキシコでも試合が行われる2026年ワールドカップ。3か国とも「北中米カリブ海サッカー連盟CONCACAF」に属している。しかし、カナダとアメリカが「北米」であることに異論を挟む人は皆無だろうが、メキシコは「中米」なのだろうか。

 日本の外務省はメキシコを「中南米」の国としており、国連も「中央アメリカ」に入れている。とすると、メキシコは「中米」ということになる。しかし、世界地図を見れば明らかなように、メキシコの国土の大半は「北アメリカ大陸」の一部をなしている。「中米」といわれる南北アメリカ大陸をつなぐ細い陸の連なりに入るのは、ユカタン半島あたりからだろうか。

 実際、メキシコ人たちは「メキシコは北米」と考えているという。そして、2026年ワールドカップの会場となるメキシコシティ、グアダラハラ、そしてモンテレイは、間違いなく「北アメリカ大陸」に乗っている。とくに北部にあるモンテレイは、アメリカ国境まで150キロもない。2026年ワールドカップを、私はこれから「北中米大会」ではなく「北米大会」と呼ぶことにする。

 だが呼称は重要ではない。問題は、ワールドカップの主催者である国際サッカー連盟(FIFA)がこの大会の入場券販売に、大会では初めて「ダイナミックプライシング」を導入したことにある。

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