■販売開始「1日未満」で値上げ!
今回、FIFAは入場券の販売方法を大きく変えた。まず入場料価格を公開する前に購入する機会を得るための「デジタル抽選」を行う。もちろん、すべての抽選、購入は、ネット上で行われる。そして当選すると、ようやく購入のページにアクセスできるようになるという形である。
一見「公平」に見えるかもしれないが、当選して購入ページに入り、価格表を見ると、高価な席しか残っていないらしい。しかも販売開始から1日もたたないうちにFIFAは「ハイデマンド」な9試合の料金を「ダイナミックプライシング」によって値上げしていたという。
この大会の準決勝は、7月14日にダラスで、そして15日にアトランタで開催されるが、「カテゴリー1」のチケットは現時点で約1700ドル(約25万5000円)。当然、今後どんどん高くなっていく。決勝戦の「カテゴリー1」は現在3000ドル(約45万円)だ。「カテゴリー1」といえば最高クラスのはずだが、「最高の席」とは限らない。選手の動きが小さな点にしか見えない最上階の席まである。
FIFAは「インクルーシブ(すべてを包み込む)ワールドカップ」をうたい上げ、ニュージャージー州の「メットライフ・スタジアム」で行われる決勝戦でも60ドル(約9000円)という席があることをアピールしている。しかし、その席数はほんのわずかで、現在購入可能な最も安い席は2030ドル(約30万4500円)。巨大なスタジアムの2階席の大半は2790~4210ドル(約41万8500~63万1500円)だという。それが「ダイナミックプライシング」で、さらに値上がりすれば…?