■ボールが基点へ「周りの選手はとにかく走れ!」

林 齋藤がシュートに入る前に、言われた通り、渡邉が右から左にディフェンダーの裏に抜けるように動いたんです。ディフェンダーが齋藤へのプレスに遅れた。あれで齋藤のシュートコースが作られたのでシュートを打てた。
 つまり「プルアウェイ」や「ダイアゴナルラン」ですね。それは毎週、練習の中に取り入れて反復しています。これをスリーポイントカウンターと呼ぶんですが、それがうち(水戸)の特徴です。

――「スリーポイントカウンター」ですか。行為を言語化して選手に共通認識を作ることは重要なことですね。

林 ちょうど8月30日の第28節の山口戦で、後半39分に久保征一郎が左足でシュートした場面があったんです。
 インターセプトしたボールをすぐさま前にパスを出してシュートにつながった。あの場面が「スリーポイントカウンター」の流れですね。

――ありましたね、その場面。ボールを奪った選手が「ボールを前に出す」。もしもボールを出せなかったら「自ら運ぶ」。バイタル前までボールが運ばれたら、その選手のために「道を開ける」。この攻撃パターンを反復してトレーニングに落とし込んでいく。なるほどね。

林 前への推進力とボールを持った選手を追い越して数的優位を作る。そうした攻撃に関するイメージは常に持っています。
 相手陣内でボールを奪った際に、基点を置かなくてはならないんです。それをサイドのプレーヤーに置いていて、そこにボールが入ったら周りの選手がとにかく走れ、と。
 基点になった選手が相手を引き出している中で、走っている選手は裏に抜け出せ、と。クロスも狙いどころと入る場所を明確にして、徹底してトレーニングの中でやっています。

――実際に鳥栖は、水戸の基点となるサイドを潰しに来ていましたね。サイドにボールが出されるのを予測してインターセプトを何度も試みてきた。相当に分析してきていますよね。
 では今後、再び首位を奪還するために、もしくは下位のチームの追撃をかわすために、どうやって戦っていこうと考えていますか?

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