■拍手も「ブーイング」もなし
得点の気配が薄れて前半が終わると、後半はヴェルディの攻撃チャンスも増加する。左サイドの新井悠太が突破口となってゴールを目指す。
しかし、浦和もボールホルダーにはしっかり当たり、決定機までは進ませない。
選手交代でも流れは変わらず。浦和はアタッキングサードでヴェルディのプレッシャーを上回ることができず、戻してやり直すが、最後は苦しい状況でのクロスになってしまい、ネットを揺らすことができない。
ヴェルディも、前線の強さが発揮されないまま時間が経過していった。
終盤はともにシュート意欲を高めたが、結局、最後までゴールは生まれず。
互いに頭を抱える0-0となった。
しかし、勝ち点1を分け合ったスコアレスドローは、それぞれのチームにとっての意味合いは大きく異なった。そのため、試合後の両サポーターの様子は対照的だった。
ヴェルディは残留へ向けて大きな積み上げ(翌日にマリノスと横浜FCがともに勝利しても、残り6試合で5ポイント差)となり、サポーターはすべての試合で勝利を目指すことで残留をつかみ取ろうと選手たちを鼓舞した。
一方、浦和はカップを2つ逃した後、大逆転のリーグ優勝を信じてすべてを懸けたはずの9月の4試合を0ゴールのままで終了。
「全体的に見れば悪くない“オーケーゲーム”だった」(サミュエル・グスタフソン)という振り返り通り、この1試合だけをフラットに見れば悪いとは言えないものではあったが、サポーターが求めていたものは違った。意地を見せられなかったチームに、サポーターは拍手もブーイングもせず、ただひたすら沈黙で見送った。
■試合結果
東京ヴェルディ 0-0 浦和レッズ



