■毛沢東が「健在」をアピールした別荘

 さらに近代史関係では中国共産党のリーダーであり、中華人民共和国建国の父である、毛沢東主席関係の別荘なども東湖湖畔に残っています。

 毛沢東は隣の湖南省出身の革命家ですが、中国建国後、自ら旗を振った「大躍進政策」が失敗して数千万人が餓死するという事態に至り、1950年代末には権力を失ってしまいます。その後、毛沢東は武漢に居を構えていたのです。

 毛沢東は実権を握っていた劉少奇国家主席などを打倒して権力を取り戻すために、1966年に左派を動員して「文化大革命」を起こしますが、この年、毛沢東は武漢の長江で水泳を披露しました。72歳になっていた毛沢東は、これによって自らの健在ぶりをアピールしたのです。

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