三笘薫や堂安律らの守備面での貢献でメキシコ準ホームで「無失点」も…痛恨の無得点、考えたい「攻撃的3バック」の真価【後藤健生の「サッカー日本代表アメリカ遠征」中間採点】(1)の画像
日本の両ウィングバック、堂安律と三笘薫が「守備の強さ」を見せて貢献した。だが、そのために…。撮影/渡辺航滋(Sony αⅡ使用)

 アメリカ遠征中のサッカー日本代表。第1戦のメキシコ代表戦で引き分けて、第2戦のアメリカ代表戦に臨む。FIFAランクで上位の相手との連戦だが、現時点での評価はどうか? サッカージャーナリスト後藤健生がメキシコ戦での「収穫」と、アメリカ戦での「課題」を挙げる!

■4万人を超すメキシコ人の前で「完封」

 日本代表は9月6日(日本時間7日)の強化試合でメキシコと対戦して、スコアレスドローに終わった。

 会場のオークランド・アリーナはメキシコの準ホームで、4万人を超すメキシコ人が集まった。

 なにしろ、カリフォルニア州というのは1840年代の米墨戦争まではメキシコ領だったところで、今でもメキシコ系アメリカ人やメキシコからの移民が数多く住んでいる。しかも、9月16日の独立記念日を前に、メキシコ系住民の国民意識が高まっている時期でもあった。

 そのメキシコが使っていたスローガンは、「Somos Locales」(俺たちのホームだ)だった。

 メキシコでは2026年には(3か国共同開催ではあるが)、1970年、1986年に続いて3度目となるワールドカップも開催される。一つの国で3度目の開催と言うのは史上初めてのことだ。

 過去2回の地元開催のワールドカップでは、メキシコ代表はともに準々決勝進出を果たしているだけに、ハビエル・アギーレ監督率いるメキシコ代表も上位進出を目指さざるをえない。

 メキシコは、2018年ロシア大会まで7大会連続で決勝トーナメント進出に成功している中堅国であり、ヨーロッパ、南米両大陸以外で優勝する国があるとすれば、その有力候補の一つでもある。

 しかし、メキシコは日本に完封されてしまった。

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