■アジア予選「10試合30ゴール」の真の意味

 日本代表としてはFIFAランキング上位のメキシコに対して、アジア予選で採用してきた3バック(+攻撃的ウィングバック)のシステムで戦って、90分間ゲームをコントロールできたことは、とりあえず大きな収穫だった。

 球際の強さで知られるメキシコ選手相手のデュエルでも、明らかに日本が優位に立っていた。

 しかし、だからこそ、90分間無得点で終わってしまったのは痛恨事だ。これだけの試合をしながら勝てなかったのだ。

 日本代表の攻撃的3バックは、アジア予選では10試合で30ゴールを決めており、「爆発的な攻撃力」を発揮したという印象が強い。

 だが、それは初戦の中国戦での7ゴールなど、明らかな格下相手の試合から受ける印象に過ぎない。

 アジア最終予選のグループ内の最大のライバル、オーストラリアとの2試合では埼玉スタジアムでのゲームでのオウンゴールによる1得点だけで、対戦成績は1分1敗に終わったのだ。さらに、グループ3位のサウジアラビアとのアウェイゲームでは2対0で快勝したが、ホームではスコアレスドローに終わっている。

 つまり、アジア予選でも強い相手からはそう簡単にゴールを奪えていないのだ。

(2)へ続く
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