【2025年J2「第27節」サガン鳥栖VS水戸ホーリーホック「徹底分析」】最終盤で踏ん張りきれなかった水戸…J2はさらなる混戦へ【戸塚啓のJ2のミカタ】(2)の画像
J2リーグで首位を走る水戸ホーリーホック  撮影/中地拓也
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■後半終了間際に水戸が勝ち越し

【J2リーグ第27節 8月23日 19時03分キックオフ 鳥栖 2ー2 水戸 駅前不動産スタジアム】

 先が読めない戦いが続いている。J2リーグは8月23、24日に第27節が開催され、首位の水戸ホーリーホックは23日、7位のサガン鳥栖とアウェイで対峙した。前半を1対0で折り返した水戸は、後半開始早々に同点とされ、その後も自陣での戦いが続く。後半からシステムを変えてきた相手の選手を捕まえきれず、なかなか相手ゴールへ迫ることができなかった。

 それでも、ここで2点目を簡単に許さないことは、水戸が好調な要因なのだろう。前節までの失点は23で、これはリーグ最少3位タイだ。複数失点を6試合にとどめていることで、接戦をしぶとく勝ち切ることができている。

 水戸の森直樹監督は80分までに交代カードを使い切り、プレー強度と運動量を維持していく。後半はなかなかチャンスを作れないまま88分を迎えると、ここで一歩前へ出る。

 左サイドから途中出場の新井瑞希がクロスを入れると、相手選手がクリアしたボールを大森渚生が左足で叩く。ペナルティエリア右から放たれたボレーシュートが、ゴール前の密集をすり抜けてゴールへ吸い込まれていった。

 この得点の流れは、大森の右CKから始まっている。キッカーを務めた彼はそのまま敵陣に残っており、左サイドからのクロスに対して大外で、フリーで待つことができたのだった。

 勝負は決まった、と誰もが思っただろう。しかし、ここからさらに試合は動くのだ。

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