■「前線のポジション」が目まぐるしく変化
さて、スコアレスで迎えたハーフタイムで、鹿島の鬼木達監督は右サイドハーフの荒木遼太郎とボランチの舩木佑を下げて松村優太と知念慶を投入。以後、積極的に選手交代を使って攻撃力を上げていった。
「前半は守備の狙いが引っ繰り返された。それでもゼロで抑えられたので、後半から出てくる選手につなげた」と鬼木監督。
前半のように攻め込まれる時間が長くても、そこを我慢して無失点でしのぎ切れば、交代選手を使ってパワーを上げられるという自信があるからこそ鹿島は焦らずに戦えるのだ。
鈴木優磨とレオ・セアラという絶対的存在を中心に、周囲の選手を次々と投入することで時間の経過とともにエネルギーを上げることができるのだから、相手にとってはやりにくいことだろう。
しかも、単に選手が変わるだけではなく、目まぐるしくポジションを変えるのだ。
FC東京戦での前線がどのように変わっていったのか? 時間の経過とともに振り返ってみよう。時間帯ごとに前線4人の並びである(これ以外にも、小さなポジションチェンジが頻繁に行われる)。
先発時:チャヴリッチ-鈴木-レオ・セアラ-荒木
40分:荒木-鈴木-レオ・セアラ-チャヴリッチ
後 半:松村-鈴木-レオ・セアラ-チャヴリッチ
55分:鈴木-レオ・セアラ-チャヴリッチ-松村
61分:鈴木-レオ・セアラ-田川-松村
75分:樋口-鈴木-田川-松村
79分:溝口-田川-鈴木-松村
フレッシュな選手が次々と投入され、しかも並びがこれだけ変わるのだから、相手チームにとっては対応が難しくなるのは当然だ。