■シューズの紐が緩んで「試合ストップ」

 同じように、最近のサッカーで目立つのは選手がケガをしたといってプレーが止まることだ。

 接触プレーがあり、選手が足を抱えて痛がっている。すると、味方や相手チームがボールを外に蹴り出したり、レフェリーが笛を吹いてプレーが止まり、メディカルスタッフが駆け寄って治療に当たり、選手がピッチ外に出て試合が再開するまで数十秒あるいは1、2分試合が中断する。

 その選手が重傷だったのなら、プレーを止めて治療する必要はあるだろうが、結局、その選手はただ痛がっていただけで、すぐに立ち上がって元気にプレーし始めるのでは、いったい何のためにプレーを止める必要があったのかと考えさせられる。

 時には、押しこまれたチームが試合の流れを切るために、わざと選手が倒れてプレーを止めることもある。国際試合などでは、相手にも審判にも日本語が通じないのを利用して、スタッフからあからさまに「倒れてろ!」とか「寝てろ!」と声がかかることもある。

 昔のサッカーは、それほど選手に優しくなかった。

 負傷した選手がいても、重傷である場合を除いてプレーを切ってもらえなかった。選手は自力で這うようにしてタッチラインの外に出て、そこで治療を受けるのである。

 そのうち、ヨーロッパでは選手がケガをしたときに相手チームがボールを外に蹴り出してプレーを止め、プレー再開のときにはスローインのボールを相手チーム(わざとプレーを止めてくれたチーム)に返すという習慣があることを知って、「本場ではなんとフェアなプレーをするのか」と驚いた記憶がある。

「選手に優しい」と言えば、最近はシューズの紐が緩んだ場合でも、レフェリーが試合を止めて紐を結び直すまで待ってくれている光景を見かけるが、これも昔では考えられないことだ。負傷の場合にプレーを止めるのは仕方ないにしても、紐が緩むなどというのはまさに「自己責任」なのだから、プレーを止めてやる必要はないように思う。

(2)へ続く
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