■長崎にはJ1からオールラウンダーが古巣復帰
4位のサガン鳥栖は、ガーナ人FWマイケル・クアルクをスカッド入りさせた。鳥栖は5月から6勝4分1敗と勝点獲得のペースを上げてきたが、総得点25は上位6チームで2番目に少ない。得点力アップがJ1昇格には必要で、178センチ、72キロの20歳のストライカーには勝利に直結するゴールが求められている。
5位のRB大宮アルディージャは、第2登録期間に選手を獲得していない。U-18のMF神田泰斗のトップ昇格を発表したぐらいだ。
その代わりではないが、3月下旬から戦列を離れているMFアルトゥール・シルバが、復帰に近づいている。ダブルボランチの一角とインサイドハーフに対応するこのブラジル人が戻ってくれば、中盤に太い芯が通る。ゲームコントローラーとなるMF小島幹敏が、攻撃により多くのパワーを注げるはずだ。
7位のジュビロ磐田は、ブラジル人MFグスタボ・シルバを獲得した。ベルギー人CBヤン・ファンデンベルフ、MF井上潮音、タイ人FWポラメート・アーウィライに続いて、6月以降だけで4人目の新加入選手だ。
いずれも現有戦力に不足があるわけではなく、戦力の底上げを狙った補強だ。グスタボ・シルバはドリブル突破が得意で、FW倍井謙とFWジョルディ・クルークスとともにウイングの選択肢となる。
8位のV・ファーレン長崎は、5得点6アシストを記録していたMF増山朝陽がJ1のFC町田ゼルビアへ移籍した。取り替えの効かない選手を失ったかと思われたが、J1の東京ヴェルディから翁長聖が加入している。
翁長は増山と同じく左右両サイドでプレーでき、最終ラインにも中盤にもフィットする。ロングスローも投げられる。高木琢也監督とは17年から18年にかけて長崎で、20年には大宮で共闘した。シーズン途中の移籍だが、チーム戦術に素早くフィットしていくに違いない。
長崎はボランチの安部大晴がルツェルン(スイス)へ、サイドハーフの松澤海斗がシントトロイデン(ベルギー)へ移籍した。どちらも、高木監督指揮下でプレータイムを得ていた。彼らが抜けた穴をどう埋めていくのかは、後半戦のポイントになりそうだ。
11位の大分トリニータは、DF三竿雄斗が復帰している。19年から22年まで大分でプレーし、今年1月から6月末までパース・グローリー(オーストラリア)に在籍していた。3バックの左CBでも、左ウイングバックでもプレーできる34歳は、片野坂知宏監督の選手起用を柔軟にするだろう。