
■首位・水戸は補強も的確で素早い
3週間のインターバルを経て、J2リーグが8月2日から再開される。7月7日に開いた第2登録期間(ウインドー)を使って、上位チームが戦力整備に動いた。
ここまで首位の水戸ホーリーホックは、J1の横浜FCからMF新井瑞希を獲得した。東京ヴェルディ在籍時の22年に背番号10を着けた彼は、左サイドからのドリブル突破とカットインで違いを生み出した。
4-4-2を採用する水戸の2列目左サイドは、MF齋藤俊輔が5ゴールと結果を残している。ただ、彼はU-20日本代表の一員で、9月27日開幕のU-20ワールドカップに出場すると、事前の準備期間を含めて少なくとも4試合は欠場することになる。それも含めて、新井を獲得したのだろう。
6月にMF津久井匠海がRB大宮アルディージャへ移籍した直後には、中盤の複数ポジションをこなすMF加藤千尋をすぐに獲得している。水戸のフロントは、動きが的確で素早い。
さらには、湘南ベルマーレからFW根本凌が加入した。主力FWのひとりにJ1クラブへ移籍する噂があるなかで、身長184センチのサイズを持ち、前線からのプレスにも献身的な25歳を迎えている。
2位のジェフユナイテッド千葉は、右ウイングの田中和樹が長期離脱となったことを受け、モンテディオ山形からMFイサカ・ゼインを迎え入れた。22年の横浜FCでJ1自動昇格を経験した右サイドアタッカーの加入は、小林慶行監督にとって心強いだろう。
3位のベガルタ仙台は、川崎フロンターレからMF山内日向汰を期限付き移籍で獲得している。独特のリズムと鋭い切り返しが特徴のドリブル突破で、チャンスメイクとゴールを担う。
仙台の2列目はキャプテンのMF郷家友太が右サイドの絶対的レギュラーで、左サイドは相良竜之介が前半戦の大半をケガで離脱したが、中断前から戦列に戻ってきている。相良、オナイウ、MF名願斗哉もドリブル突破が得意のサイドアタッカーで、山内の加入で2列目の選択肢がさらに充実した。フィニッシャーとしてのクオリティが高い郷家を、2トップの一角へ上げることもできるだろう。
もっとも、シーズン開幕からの持ち越し課題は、確固たる得点源だ。昨シーズンのJ2で13ゴールをあげた中島元彦(セレッソ大阪)に代わるアタッカーが、まだ定まっていない。6月にJ3の高知ユナイテッドから加入したFW小林心が、残り15試合でどれだけゴールを記録できるか。