■彼らの「フィールド・オブ・ドリームス」

 2011年にワールドカップ予選で訪れたタジキスタンでは、すごいものを見た。村の少年たちが、閉鎖した工場の空き地を借り、そこを自分たちで整地して、村のサッカー場をつくっていたのだ(【写真20】)。10代の後半と思われる年長の少年たちがまだスコップを使って大きな石を掘り起こしている脇では、待ちかねた年少の子どもたちがボールを追い歓声を上げている。年長の少年たちは、それを笑顔で見ながらスコップを動かす手を休めない。

【写真20】タジキスタンの首都ドゥシャンベから遠く離れた村。そこには少年たちの夢があった。©Y.Osumi

 ゴールは、そのあたりで拾ってきたポールをつなげただけのもの、形はなしているが、もしシュートが直撃したら軽く吹き飛んでしまうだろう。石ころだらけのグラウンドと吹けば飛ぶようなゴール。しかし、それは間違いなく彼らの「フィールド・オブ・ドリームス」。私は、「世界一のサッカー場」と思った。

 そして【写真21】は、自分が撮った中で最も好きな写真の1枚だ。2013年、ブラジルで開催された「FIFAコンフェデレーションズカップ」の大会中に、レシーフェのボアビアージェン海岸で出合ったシーンだ。父と子だろうか。2人が浜辺の木陰でボールを蹴っている。父がシューター、息子はGK。息子の背後にある2本の木が、2人のゴールだ。

【写真21】水曜日の夕刻、ビーチで親子がボールを蹴る。父親がシュートを打ち、背にした「理想のゴール」を、息子が守る。©Y.Osumi

 サッカーは本当に素晴らしい。1個のボールがあれば、「ゴール」はどのようなものでも、「空想」でも組み立てられる。

PHOTO GALLERY ■【画像】忘れられた「追加副審」(写真15)から世界一の「サッカー場」(写真20)、「父と子」のゴール(写真21)まで、世界のゴール珍百景(3)
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