■わずか2日後に「不参加」表明

 何よりファンが危機感を持ったのは、2021年の「欧州スーパーリーグ」構想だった。欧州のビッグクラブが集まって新リーグをつくろうという構想だったが、イングランドからも6つのクラブ、マンチェスター・ユナイテッドマンチェスター・シティリバプールチェルシーアーセナルトットナム・ホットスパーの参加も予定されていた。

 国際サッカー連盟(FIFA)を筆頭に、その参加の全6地域の地域連盟も反対の意思を示したが、何よりも強いリアクションはファンの間から起こった。「参加予定外」のクラブのファンだけでなく、「参加予定クラブ」のファンからも、「利益ばかり追求する」と猛烈な批判が起こり、イングランドの6クラブは発表からわずか2日後に「不参加」を表明せざるをえなかった。

 現在、イングランドの全国規模のリーグには、プレミアリーグ(20クラブ)を筆頭に、「5部」に当たる「ナショナル・リーグ」まで全116クラブが在籍している。「2部」は「EFLチャンピオンシップ」、「3部」は「EFLリーグ1」、「4部」は「EFLリーグ2」で、プレミアリーグ以外はそれぞれ24クラブで構成されている。

 今回の法律は、この「5部」までの116クラブを対象としている。大半が「イングランド」の圏内だが、ウェールズのクラブもいくつかある。その結果、今回成立した法律の対象は「イングランドおよびウェールズ」の「5部」までのクラブとなった。

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