選手の負傷につながる「危ない許容」も、日韓で違う「重視されるプレー」、発展のために「必要とされる施設」【Kリーグ現地取材で分かった「日韓サッカー」と「Jリーグ」の現状と今後】(3)の画像
Eー1選手権の会場となった龍仁ミルスタジアムは、2018年に開場。3万7000人を収容する。撮影/原壮史(Sony α1使用)

 韓国で行われた男子のE-1選手権は、サッカー日本代表の優勝で幕を閉じた。最終戦では韓国代表に1-0で競り勝ったが、ライバルの「底力」を見せつけられた。これまでも両国のサッカーは、代表チームはもちろん、国内リーグおいても競い合うことで、発展を遂げてきた。その「これまで」と「これから」を、サッカージャーナリスト後藤健生が現地リポートする!

■危険な「ラフプレー」を流す傾向も

 浦項対全北の試合でも、全北の1トップのコンパーニョと浦項のCB全民光(チョン・ミングァン)との激しい空中戦でも肘撃ちのような場面があったが、イ・ドンジュン主審は反則を取らない。そこで、前半27分に2人の間に小競り合いが発生。これはなんとか収まったが、すぐに全北の右サイドハーフ全晋于(チョン・ジヌ)と浦項のウィングバック、オ・チョンウォンも睨み合いをはじめ、一触即発の雰囲気が漂った。

 浦項の観客はこうしたプレーもけっこう楽しんでおり、挑発的なプレーをした全北のサイドバック金太煥(キム・テファン)に対してブーイングを浴びせ続けた。

 さすがに、後半に入るとイ・ドンジュン主審もファウルを厳しくとるようになったが、こうしたラフプレーを許容していては選手の負傷にもつながる危険がある。

 前日に観戦した大邱FC対金泉尚武の試合でも、チェ・サンヒョプ主審はラフプレーを流す傾向にあった。

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