■それぞれの代表選手がもたらすもの

 先述したように、E―1選手権に呼ばれたいというJリーグクラブに所属する選手の声をかねてから多く聞いてきた。そのためにきつい練習をこなし、試合で結果を残そうとしていたのは一人や二人ではない。未来につながる確たる“目標”がJリーグを盛り上げてきたと間違いなく言える。
 韓国戦後、森保一監督は「このE―1選手権は非常に素晴らしい大会だと思っています」としたうえで、その意義をこう口にしている。
「韓国も日本も、代表選手の多くがヨーロッパでプレーする中、国内組の成長をどうやって見ていくかという部分においては、Jリーグ・Kリーグで素晴らしい戦いをしている選手たちが今日の日韓・韓日戦という非常に緊張感のある、激しく厳しく、アジア最高峰のクオリティの中で試合ができたことが、選手たちの成長につながり、本当にありがたいEー1選手権だなということを感じております」
 また、「選手たちがこの代表活動を通してワールドカップに向けて本気で夢として、本気で自分がその場にいたいという思いを持ってくれたことに本当にうれしく思っています」とも語ると「我々コーチングスタッフは、世界トップ基準という、今回招集した選手たちにも高い要求をした」と明かす。
 そのうえで、「Jリーグの舞台に戻っても、選手たちにはその強い思いを持って、チームで勝たせる存在、別格なプレーを見せてほしいと思いますし、Jリーグや国内で頑張っている、選手たちに今回、Eー1選手権で戦った選手たちと同等な力を持っている自分たちがいるんだというところも感じてもらって、また、さらに成長を目指して切磋琢磨してもらえれば嬉しい」と思いを表していた。
 際的な目標を目指して成長する選手がいる状況において、さらに今回代表に呼ばれた選手がそれぞれのクラブとはまた違った指導・戦い方を享受する中で、そうした選手とともに戦ったり対峙することが、Jリーグ全体のレベルアップにつながるはずだ。
 今回、大会に出場したのは26人だが、実力面やその他のさまざまな事情でプレーできなかった選手もいる。限られたチャンスを生かしたいという強い思いをひしひしと感じてきただけに、今回アピールできた選手もそうではなかった選手も、そして、チャンスの舞台に立つことができなかった選手たちも、改めてその力をアピールできることを、そして輝けることを強く祈っている。
(取材・文/中地拓也)

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