
サッカー日本代表はワールドカップ予選を終えたが、時計は動き続けている。7月には東アジアのライバルとの戦いが待っているのだ。そのE-1選手権は、日本代表にとって、どのような意味があり、またどのように活用すべきか。サッカージャーナリスト後藤健生が考察する!
■E-1で「初招集される」選手の位置づけ
3月までにワールドカップ予選突破を決めていた日本代表は、6月のオーストラリア、インドネシアとの試合では、三笘薫や南野拓実、堂安律といったこれまで主力を担っていた選手たちの多くに休養を与えるとともに、来年のワールドカップ本番でメンバー入りを目指すべき選手を多数招集した。
実際、平河悠や鈴木唯人、さらに佐野海舟などが素晴らしいパフォーマンスを見せて、ワールドカップ・メンバー入りに向けての競争に名乗りを上げた。また、6月シリーズで招集されたJリーグクラブ所属の選手たちにも、まだチャンスは残されている。E-1選手権は、いわば最後の「追試」のような位置づけとなる(DFの高井幸大は“別格”。2022年大会における谷口彰悟のように、すでにフル代表の中核の1人だ)。
だが、7月のE-1選手権で初めて招集される(6月シリーズに呼ばれていなかった)選手たちの位置づけはかなり違いそうだ。
まず、2022年大会のときの鈴木彩艶のように、2030年のワールドカップでのメンバー入りが期待される若手選手がかなりメンバー入りを果たすことだろう。
2022年大会で、森保一監督はベテランも招集した。それは、彼らの経験を生かして、チームをまとめさせるためだったろう。若手の引き上げが最大の目的だったとしても、そのためには内容のある戦いをしなければならないし、代表チームとして「勝利」も必要だ。そこで、ベテランを起用したり、当時、横浜F・マリノスに所属していた選手を多く招集して、クラブでのコンビネーションを生かそうとしたのだろう。