2得点を生んだ渡邊凌磨「トップ下」からの配置転換、1本のダイレクトパスが示す「攻撃パターン」構築【横浜FC戦で見えた「浦和レッズ」がクラブW杯で勝つために必要なこと】(1)の画像
ボランチからトップ下へ、ポジションを上げた渡邊凌磨。この試合では、さらに新たなポジションへ…。撮影/原壮史(Sony α1使用)

 2025年6月1日、浦和レッズ対横浜FCの試合が埼玉スタジアム2002でおこなわれた。試合は2-1で浦和が勝利した。浦和のフォーメーションは「4-2-3-1」で中盤は三角形を敷く。一方の横浜FCのそれは「3-4-2‐1」のスリーバックでワントップになる。

■「トップ下」マテウス・サヴィオが勝利に貢献

 強行日程の中の浦和は、前節のセレッソ大阪戦からメンバー1人を入れ替えた。サイドバック(以後、SB)には長沼洋一ではなく、荻原拓也を先発起用。メンバー変更は1人だけだったが、この試合のキープレーヤーとなったマテウス・サヴィオを左ウイング(以後、WG)ではなく、トップ下に置いてきた。
 そして、それまでトップ下を務めていた渡邊凌磨を、左WGで起用する。この配置転換が、この試合におけるサミュエル・グスタフソンの2得点に大きくかかわっている。

 横浜FCは、前節の柏レイソル戦から浦和と同様、スタメンを1名かえてきた。室井彗佑にかえて駒井善成を起用する。

 筆者は、開幕してすぐに、渡邊をボランチではなく、前線のポジションで起用することを提言していた。同時に、左WGのサヴィオをトップ下に置くようにも発言している。

 その理由は、左サイドに固定すると、動きの範囲が左か真ん中に限定されるためだ。それよりも最初から真ん中にポジショニングさせて、試合の中で右に動いたり、左に動いたりする。動く範囲に制限があるポジションよりも、自由に動けるポジションがサヴィオには合っていると考えたからだ。後ほど解説するが、サヴィオがトップ下にいることで、勝利に貢献した動きをしたことは間違いない。

 なお、試合を詳細に分析するために、試合のダイジェストにしたがって話を進めていく。読者の皆さんは、以下のDAZN公式ハイライトを見て、プレーの詳細部分を確認してほしい。https://www.youtube.com/watch?v=8uX-Qg7cv54

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