■「難しい」コミュニケーション

【11分のラファエル・ハットンのヘディングシュートの場面】

 C大阪の右サイドにパスが渡される。フリーでボールを受けたルーカス・フェルナンデスが、浦和の2人のCBの間にボールを蹴り込む。ソーンで守っている浦和のディフェンス陣にとっては難しい対応になる。

 ここでの問題は、右SBの長沼がフリーのルーカスにプレスに行くのか、それともサヴィオがもっと早く降りてきて、プレスに行くのかである。

 クロスを上げられた後のサヴィオが、両手を広げている仕草から見ると、「長沼がなぜプレスにこないのか、俺が行くのか」というアピールにも映る。

 本来ならば、ルーカスのマークはサヴィオなので、長沼がコーチングしてサヴィオを戻らせないとならない。しかし、サヴィオは長沼がサイドにズレて、ルーカスをマークすると思ったのだろう。日本人と外国人がいるチームのディフェンス陣にはよくあることなのだが、日本人と外国人のコミュニケーションの難しさからくる「すれ違い」や「行き違い」なのだろう。

 この場面は、浦和の守備のポイントになっている。ルーカスにフリーでクロスを上げさせてはならない。そのためにも、まず浦和のディフェンスラインはボールサイドにスライドしていないとならない。さらに、サヴィオに早く降りてくるようにコーチングしないといけない。そして、長沼がルーカスの前に立って激しく体を寄せていく。サヴィオも追従してプレスにいく。ルーカスに横パスやバックパスを出させるように仕向ける。

 マリウス・ホイブラーテンやボザのディフェンス陣は、「クロスを上げられても最後でやられなければいい」という考えがあって、ボールサイドにスライドしなかったのだろうが。

 記事後半では、14分の安居海渡のシュートの場面から見ていこう。

 

(2)へ続く
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