■先発の「平均年齢」は22.18歳

 ベレーザが、この数年間苦しんでいたもう一つの原因は、選手たちの海外流出だった。

 男子サッカーと同じく、女子でも日本代表クラスの選手たちは相次いで欧州や米国のクラブに移籍している。いまでは、日本代表(なでしこジャパン)で先発する選手たちの半数以上が海外クラブに所属している。そして、海外移籍の年齢が低下していることも、男子と共通の流れとなっている。

 とくに、ベレーザの場合、海外流出の流れは激しい。

 マンチェスター・シティで大活躍している長谷川唯清水梨紗や藤野あおば。2023年の女子ワールドカップで得点王に輝いた宮澤ひなた(マンチェスター・ユナイテッド)、籾木結花レスター・シティ)、植木理子(ウェストハム・ユナイテッド)らは、すべてベレーザ出身者だ。

 こうして優秀な選手が次々と離脱する一方、ベレーザの場合、下部組織であるメニーナ(U-18)から、さらに若い年代の選手が次々と供給される流れになっている。

 そのため、最近のベレーザは、数人のベテラン選手以外は20歳前後の若手が多いチーム構成となっている。たとえば、最終節の千葉L戦の先発11人の平均年齢は22.18歳だった。

 ライバルのI神戸でも昨年夏には北川ひかるがスウェーデンのヘッケンに、また今年の2月には守屋都弥がアメリカのエンジェル・シティにそれぞれ移籍したが、それでもDFの三宅史織や土光真代、MFの成宮唯、FWの高瀬愛実のような日本代表で活躍したベテランがチームを固めており、また、外国籍選手も活躍している。

 また、三菱重工浦和レッズレディースは大ベテランの安藤梢を筆頭に、ベテランから中堅、若手までがバランスよくそろっている。

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