■気になる佐野海舟の動向
このうち、チームの新たな起爆剤になってくれると期待されるのが、前回未経験の中村。第2次森保ジャパン発足後から代表に定着し、2023年夏にはフランス1部に挑戦。2シーズン目の今季はついに2ケタゴールを達成し、この夏には欧州CL出場クラブへのステップアップが有力視される。
彼以外の9人が2022年カタールW杯からのコアメンバーということで、世界中から分析される中、中村だけは大舞台でどんな活躍をしてくれるのか予想できないところがある。その分、大化けする可能性を秘めているということ。「今の中村敬斗は三笘よりやれることが多いのではないか」と話すJFA関係者もいて、1年後には2人の序列が逆転していることも考えられる。それだけに彼には一気にスターダムにのし上がってほしいところだ。
そしてMFでもう1人、招集しなければいけないのが、ドイツで大活躍している佐野海舟(マインツ)ではないか。2024年7月に不同意性交罪で逮捕され、その後不起訴処分になったものの、スポンサーなどから代表復帰に難色を示される形になっていた。
今もなお、その影響が続いており、直近6月の最終予選ラストのオーストラリア(パース)・インドネシア(吹田)2連戦で復帰するかどうかも未知数ではあるが、あれだけのデュエルの強さとボール奪取力を備えた人材を戦力にできないのはもったいない。遠藤が来年33歳になることを考えても、バックアップ役の佐野はキープしておきたい。
2026年W杯まで1年以上の時間があるため、JFAとしては9月の代表シリーズまでに彼を呼び戻せる環境を整え、チームへの融合を図っておきたいところ。そのシナリオ通りに物事が進むか分からないが、水面下での努力は必要だろう。