■北川航也「みんなが責任感を」

 同じJ1の浦和レッズ時代は思うような結果を出せなかった松崎も仙台でのプレーを経て、2024年に清水へ移籍。そこからは確実に成長を遂げている。今季はすでに4ゴールをマークし、持ち前のスピードで違いを作っている時も多い。それも乾と共闘し、いい感覚やリズムをつかんでいることが大きいのだろう。アカデミー出身の期待の星である西原らも同じような軌跡を歩んでくれれば理想的。いずれにしても、ここからの清水はより分厚い選手層が求められてくるはずだ。
「また試合は来るし、切り替えなければいけないと思っているし、全員の力が必要であることは間違いない。復帰してくる選手もいると思いますけど、みんなが責任感を持たなければいけないと思ってます」とキャプテン・北川も名古屋戦後にコメントしていたが、「誰が出ても勝てる」という集団へ変貌を遂げられれば、清水は90~2000年代初頭の栄光を取り戻せるのではないか。
 その時代を知る往年のサッカーファンは「サッカー王国のクラブはつねに強くなければいけない」と心底、感じているはず。彼らに課せられた重圧は大きいが、とにかくここからさらに前進できるように、選手個々が貪欲にレベルアップしてほしいものである。
(取材・文/元川悦子)

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