■「持たれている状態が続いたけど……」

 ところが、大型連戦ラストの6日のガンバ大阪戦はその通りにはいかなかった。
 スタメンはヴェルディ戦と同じ松本がボランチに入ったイレブンだったが、開始早々の5分に絶対的守護神・西川がアクシデントに見舞われ、牲川歩見との交代を余儀なくされたのだ。
 牲川もいいGKだが、経験値や統率力という部分でどうしても西川には劣る。そこが不安視されたが、前半は守備の綻びは生じることはなかった。彼らはガンバの食野亮太郎や満田誠の決定機を一丸となって阻止。失点を許さなかった。
 ただ、攻撃の方はなかなかギアが上がらなかった。ガンバが序盤はハイプレスを仕掛けてきたものの、浦和攻撃陣の個人能力の高さを感じるや否や、すぐさまミドルブロックを引いてブロックを作る戦術へと転換。ダニエル・ポヤトス監督の機転の利いたマネージメントが奏功していたからだ。
「持たれている状態が続いたけど、レッズに対してはそっちの方がいいかなという感じはあった。僕らが持って『どう崩すか』を考えている間にカウンターから失点して、その後は後ろを固められて最終的に負けているみたいな展開がずっと続いていたので」と宇佐美貴史も語っていたが、ガンバは守って一刺しようと虎視眈々と狙っていたのだろう。
 それを後半8分に形にされてしまう。相手左サイドの食野亮太郎からファーにクロスが入った瞬間、山下諒也が飛び込んできて、長沼洋一が対応したはずだったが、マークしきれずに決められてしまったのだ。
「失点シーンは僕のポジショニングが悪かったですね。ちょっと陣形が崩れた時にやられるという典型的なパターンだったかな」と長沼自身も反省しきりだったが、この時間帯になるとチーム全体に疲労感が見え隠れしていた。やはり短期間の6試合を同じ守備陣でしのぐのは難しいということだろう。

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