■「外国に慣れているところも彼らの強み」

 指揮官は筆者の質問に「まず、(自分が)正しい判断をしたいというのが自分の根底にあります。練習や練習試合も含めて、1月のキャンプからトレーニング積み上げてきた中で彼ら2人の守備力は非常に高いです」と話す。
 そのうえで、「プロの世界で皆さんに(高い)評価をいただけるほどの結果を出したかというとそうではないと思うんですね。ただ持っているものは高いですし、アンダー世代の代表での海外遠征も含めて外国に慣れているところも彼らの強み」と話したうえでの、判断だったとも説明する。
 対戦相手のアル・ナスルの傾向として後半に一気に攻守のペースが落ちる。前半に攻勢に出てくるであろう相手を抑えるために若手2人を起用して中盤のキーマンを封じることで流れを掴み、後半に相手の隙をつく――。
 実際には早い時間に先制点を奪い、前半のうちに2点を決めたことで精神面ではかなり優位に立てたものの、元のゲームプランとスカウティングがはまったからこその勝利だった。
(取材・文/中地拓也)
【後編につづく】

(2)へ続く
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