【川崎がACLE決勝進出を果たした試合の裏側とは(1)】プラン通りだった若手2人の限定起用とその狙いとは。チームとして警戒したのはCロナウドではなく中盤のキーマンで、「明確な指示」与えられるの画像
アル・ナスル戦で結果を残して喜んだ川崎フロンターレの大関友翔 撮影:中地拓也

「明日は決めてみせます」

 ACLE準決勝アル・ナスル戦を翌日に控えた現地時間の4月29日、力強くこう意気込んだ選手がいた。川崎フロンターレの大関友翔だ。そしてその試合で実際にゴールを奪い、大舞台で有言実行を果たしてみせた。

 試合後の大関に聞けば、「あの時点で自分がスタメンだって分かっていたので、“やってやろう”って気持ちで“決めます”って言いました。有言実行できて良かったですし、(ここまで)なかなか監督やサポーターの皆さんの期待に応えることができていなかったので良かった」と心の内を明かす。
 その大関自身、スタメンだと分かったときには「震えました。でも、楽しみが大きかった」と話すように、サプライズの要素も大きかった。2005年生まれで現在20歳のMFはここまでJ1・6試合に出場したのみ。大関が入ったトップ下ではここまで脇坂泰斗が主力として君臨しており、その脇坂が準々決勝で両足をつっていたとはいえ、大関の起用に驚いた人も多かった。
 そしてその大関と並んでサプライズ起用となったのが19歳の神田奏真で、1トップに神田、トップ下に大関という疲労蓄積的にも年齢的にもフレッシュな2人が並んだ。
 では、長谷部茂利監督は2人をどのような狙いで起用したのか――。

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