川崎フロンターレを率いた「異能の指揮官」の下、南葛SCが準決勝に進出、苦戦した「社会人系代表」決定戦【天皇杯出場へ「サッカー界の異種格闘技戦」で大波乱】(1)の画像
南葛SCで代表を務めるのは、『キャプテン翼』作者として世界的に知られる高橋陽一先生(前列左から2人目)。撮影/渡辺航滋(Sony α1使用)

 現在、各都道府県おいて天皇杯代表チームが続々と決まっている。東京都でも代表決定トーナメントである「第30回東京都サッカートーナメント」が進んでいるが、サッカージャーナリスト後藤健生はこの大会が、首都ならではの「異種格闘技戦」だと考えている。

■天皇杯の「東京都予選」で異変

 現在、「第30回東京都サッカートーナメント」という大会が開かれている。4月26日には東京・味の素フィールド西が丘で準決勝が行われ、明治大学と法政大学が5月10日の決勝にコマを進めた。

 この大会は、天皇杯全日本選手権の東京都予選である。明治大学と法政大学の勝者が東京都代表として天皇杯に出場し、5月25日の1回戦では群馬県代表と対戦することが決まっている。

 さて、準決勝の対戦カードは南葛SC対明治大学と東京23FC対法政大学だった。

 今シーズンは、社会人系代表決定戦で日本フットボールリーグ(JFL)所属の横河武蔵野FCとクリアソン新宿が関東リーグ所属の南葛と東京23に敗れてしまったため、学生代表の対戦相手はどちらも関東リーグ1部のチームとなった。

 この大会は、毎年、大学チームとJFLチームが接戦を繰り広げており、2023年はクリアソン新宿、2024年は横河武蔵野と2年連続でJFL側が勝利していたが、今年は対戦相手が1つ下のリーグである関東リーグ所属チームとなったことで、大学にとってはチャンスかと思われた。

 しかし、試合は2試合とも前半は社会人系代表(関東リーグ)がリードして、最後まで勝敗の行方が分からない接戦となった。

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