後藤健生の「蹴球放浪家」第261回「森保監督が訴える“国民的関心事”の意味を考える」の巻(2) 一度だけ「国民的関心事になった」日本代表、決勝進出で「シャンゼリゼの熱狂」が渋谷にの画像
森保監督はバーレーン戦後、ワールドカップで優勝するためには「国中の関心事にしないといけない」と、涙で訴えた。撮影/原悦生(Sony α1使用)
■【画像】フランスが地元で初優勝した1998年大会決勝戦のチケット

 サポーターという言葉は、Jリーグの誕生とともに日本中に広がった。ワールドカップ優勝を目指すサッカー日本代表の森保一監督は、日本全体でのサポートを訴えている。蹴球放浪家・後藤健生が目撃した、サッカーが「国民的関心事」になったことで実現した「大きな夢」!

■カタール大会優勝で「400万人」集結

 そのアルゼンチンが、地元開催の大会で初優勝を飾ったのは1978年大会でした。

 僕は、アルゼンチン共和国の首都ブエノスアイレスと、ブエノスアイレス州の州都ラプラタの中間のキルメスというところに居候していました(キルメスは、アルゼンチン代表のスポンサーにもなっていたビール会社の本拠地)。目の前は国道です。

 アルゼンチン代表は1次リーグでイタリアに敗れて2位通過だったため、2次リーグはブエノスアイレスではなく、サンタフェ州のロサリオで戦うことになりました。そして、ロサリオでの試合がアルゼンチンの勝利で終了すると、国道は大混雑になります。

 ブエノスアイレス市内、7月9日通りとコリエンテス通りが交差するレパブリカ広場にあるオベリスク(ブエノスアイレス創設400周年を記念して1936年に建てられた高さ67.5メートルの石柱)の前に集まって勝利を祝うためです。

 そのため、人々が各地からブエノスアイレスに向かって集まってくるのです(カタール大会優勝のときも、選手の帰国を歓迎してオベリスク周辺には約400万人が集まったそうです)。

PHOTO GALLERY ■【画像】フランスが地元で初優勝した1998年大会決勝戦のチケット
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