■橘田健人が秘めた思い
アル・ナスル戦に向けて他の選手とはまた違った思いがあるのではないか――。
公式会見で橘田健人に改めて聞けば、こう言葉にする。
「2023年の天皇杯がここに繋がっていますし、これまでの選手やスタッフの力でここまで来れているので、ピッチで戦えるということはその多くの方の分まで戦わないといけないですし、何がなんでも次の試合に勝ちたい」
鬼木達前監督を筆頭に、今はいない選手やコーチングスタッフ、クラブスタッフとともにつないできた大会。そこへのさまざまな思いがやはり、背番号8の胸には秘められていた。
橘田にこの試合でのカギを聞けば、「明日の試合で一番大事なのは恐れずに戦うこと」とまずは口にして、「有名な選手がいますけど、だからといって勝てない相手ではないですし、それがサッカーの面白いところでもあるので、まずは自分たちが強気で戦わなければいけない」とする。
個人個人の強い気持ち、そして、クラブとして積み重ねてきた思いをぶつけるアル・ナスル戦。川崎フロンターレが川崎フロンターレであるために、この一戦に勝利する。
(取材・文/中地拓也)