【川崎がACLEアル・ナスル戦で勝つために必要なもの(2)】橘田健人が言葉にした今と過去のチームメイトらへの想い。「これまでの選手やスタッフの力の分まで戦わないといけない」の画像
アルサッド戦で復帰した川崎フロンターレの橘田健人 撮影:中地拓也
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 この物語を進めるうえで、一つ忘れてはいけないポイントがある。遡ること2年前、つまりは2023年12月9日である。

 この日、国立競技場で川崎フロンターレ天皇杯のタイトルを目指して柏レイソルと決勝を戦い抜いた。PKまでもつれ込む苦しい展開だったが、それでもつかみ取った7つ目のタイトルが「さいごのカギ」となってチームをアジアに導いた。
 思えば、苦しい道のりだった。茨城県水戸市、高知県高知市、新潟県新潟市など5試合に勝利しての決勝だった。この年、橘田健人がキャプテンマークを巻くことになるが、白星が重ねられない日々も続く。その中で最後の最後にやっと掴んだタイトルだった。
 しかし、神様は大事な場面で意地悪をしたがる。4月6日の町田ゼルビア戦で先発した橘田が前半途中で負傷交代に追い込まれたのだ。後に本人に聞けば怪我をした瞬間、「ACLEに出られないと思った」と語ったもの。それでも懸命のリハビリによってサウジアラビア遠征に帯同。アルサッド戦で途中出場をしてみせる。そして現地時間の4月29日、アル・ナスル戦前日の公式会見に登場したのである。

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