■キム・ミョンヒ監督「明確な方向性を示せばやってくれる」

 直近12日の横浜F・マリノス戦を見ても、前半に遠野大弥の一発を浴びたが、チーム全体がブレることなく丁寧なビルドアップと堅守を維持。前半のうちに金監督とともに町田ゼルビアから赴いた藤本一輝が同点弾をゲットしており、さらに、東京ヴェルディから加入した見木友哉が決勝弾を奪うという勝負強さを見せつけたのだ。
「今は選手たちも少し心の余裕を出せている。もともと質の高い選手が多いので、明確な方向性を示せばやってくれる。実に頼もしい」と金監督も首位に立ったゲームの後、自信をのぞかせたが、名古新太郎志知孝明を含めて新戦力がいち早くフィットし、結果を出しているのは大きい。彼らが上昇気流に乗っているのは間違いなさそうだ。
 京都にしても、序盤3戦未勝利という暗雲立ち込める始まりだったが、3月以降は川崎、広島、柏レイソル、鹿島という上位陣を撃破。一気に上位に浮上してきた。チョウ監督の長期政権で川崎颯太福岡慎平、宮本優太ら秘蔵っ子たちの戦術理解度が高く、そこにラファエル・エリアスや奥川雅也、須貝英大といった新戦力が融合。エリアスが6ゴールと爆発しているのは好材料だ。もともと強度の高いスタイルを志向する彼らはこれまで後半になるとペースダウンしてしまう傾向が見受けられたが、今季はその課題も克服しつつあるようだ。

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