
ニルス・ニールセン監督率いるサッカー日本女子代表「新生なでしこジャパン」が、国内初戦となるコロンビア代表との親善試合で引き分けた。ランキングで差のある格下相手のドローを、どうとらえるべきか? サッカージャーナリスト後藤健生が徹底検証する!
■「ワーストに近い」ゲーム
日本女子代表(なでしこジャパン)のニルス・ニールセン監督は「ベストではないが、ワーストでもなかった」と語った。
たしかに、後半アディショナルタイムに同点に追いついて敗戦を免れたのだから「ワーストではない」かもしれないが、試合内容を考えれば、「限りなくワーストに近い」ゲームだった。
同監督就任後、国内初戦となったコロンビア戦(4月6日、ヨドコウ桜スタジアム)である。
コロンビアがエース格のマイラ・ラミーレス(チェルシー)やリンダ・カイセド(レアル・マドリード)を欠いていたこともあって、両チームの力の差は歴然としていた。
テクニック面だけでなく、スピードでもパワーでも上回った日本が、終始ボールを保持して攻撃を続ける展開となり、シュート数は日本の13本に対して、コロンビアはわずかに1本(つまり、ゴールを決めたカルラ・トーレスのヘディングシュート)だけだった。
13分には宮澤ひなたのシュートがボールポストに嫌われ、後半にも松窪真心のシュートがポストを直撃するなど、日本にとっては不運な面もあった。
また、コロンビアGKキャサリン・タピアは31分に籾木結花のPKをストップするなど、当たっていた。
サッカーでは相手のGKがノッてきたり、幸運に見放されると、どれだけ攻撃を繰り返しても、どうしても得点できない試合がある。それが、このアソシエーション・フットボールという競技の特性なのだ。
だから、結果として後半アディショナルタイムのPKによる得点だけに終わったことは仕方のないことではある。しかし、ボールを握り、試合をコントロールしていた割には、決定機の数が圧倒的に足りなかったのも事実だった。