■「日本にはない」習慣
僕が若い頃、日本には片側を空けるという習慣はありませんでした。人々は両側に(ばらばらに)立っていたので、誰も乗っていないとき以外は歩いて上ったり下りたりするのは不可能でした。
エスカレーターで片側を空けるという習慣を初めて目撃したのは、英国ロンドンでのことでした。
1973年の秋に、フジテレビの「クイズ・グランプリ」という番組で優勝して、賞品のヨーロッパ旅行に行ったときのことでした。毎週1人ずつ優勝者が出る形式のクイズでしたから、半年分の優勝者が集まって団体旅行に連れて行ってもらえるのです。
スカンジナビア航空で早朝にデンマークのコペンハーゲンに到着して、市内を観光してから夕方の飛行機でロンドンに向かう日程でした。
ロンドンでは団体行動から離れて、フットボール・リーグの好カード、アーセナル対マンチェスター・シティ戦を見にいきました。会場は昔のアーセナル・スタジアム「ハイバリー」でした。