【J1・6戦無敗で首位固め。鹿島が神戸に完勝できた理由とは?(2)】「単に勝つだけじゃなく成長に目を向けられている」と完封の立役者・植田も強調。鬼木流の攻撃的スタイルが確実に浸透する鹿島の画像
鹿島アントラーズの植田直通  撮影:中地拓也

 3月29日の2025年J1第7節でヴィッセル神戸を1-0で撃破し、6戦無敗と勢いに乗っている鹿島アントラーズ。ホーム無敗記録も27まで伸び、本当にカシマスタジアムでは無敵と言っても過言ではないほどだ。

 相手のペースにハマって苦しめられた3月16日の浦和レッズ戦とは異なり、今回は神戸にやりたいことをほとんどさせなかった。大迫勇也武藤嘉紀の両エースを沈黙させたうえ、助っ人FWエリキや途中から出てきた宮代大聖汰木康也らにも持ち味を出させず、鹿島の勝負強さに磨きがかかったという声も少なくない。
 やはり大きいのは、鬼木達監督が目指している攻撃的スタイルが徐々に見られるようになってきたこと。神戸戦で最も印象的だったのは、前半40分のレオ・セアラの決定機だ。
 スタートは早川のロングフィード。これに左のチャヴリッチが反応。安西幸輝鈴木優磨とつないでボランチの舩橋佑に戻すと、背番号20は大外に開いていた鈴木優磨にリターンパスを送った。次の瞬間、安西がインナーラップを仕掛け、ポケットを取り、マイナスクロスをゴール前に送る。そこに反応したのが背番号9。肝心のシュートはゴールのわずか外側に飛んでしまったが、この崩しはまさに完璧。こういう形がゴールにつながるようになれば、鹿島はこれまでとは異なるチームに飛躍できるだろう。
「あれはオニさんが常日頃から言っているプレーだと思うし、ニアゾーンを取ったり、選手がどんどん入れ替わりながら、立ち位置も変えながらプレーすることを表現できた。レオのシュートはあの時は入らなかったですけど。またいいボールを上げられるように頑張りたいですね」と安西は笑顔でコメントしていたが、本当にこういう攻めが何度も出て、より多くのゴールを奪えれば理想的。今の調子なら、鹿島はそういう集団になれそうな雰囲気もありそうだ。

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