■「毎試合、自分たちのサッカーができるわけではない」

 サッカーは言うまでもなく11人対11人で争うスポーツで、ピッチ上を自チームの11人で埋めるのは困難を伴う。だからこそ、リスクをどこで負ってどこで負わないのか、時間においてもポジションにおいてもそれぞれのチームの選択が必要となる。
 常に、帯としては短くタスキとしては長くなってしまううえに、ピッチ状況や移動状況、天候までにも大きく影響されるからこそ、それぞれの試合にドラマが生まれる。
 田中が上記のように答えたあと、フリーの記者から“結果的には勝ったとしても、そのためのプロセスの必要性”といった趣旨の質問が投げかけられると、次のように答える。
「もちろん理想のサッカーをして勝てればいいんでしょうけど、でも、勝つことで得られることの重要性というか、内容が良くて負けたりとか、内容が悪くてもやっぱ勝つことっていうのは、サッカーにおいては重要だなって感じるので。
 毎試合、自分たちのサッカーができるわけではないですし、相手がすごくいい試合だってあるし、自分たちが良くないというより相手が良いゲームの中でも、自分たちがやりたいことをやれなくても、流れが来なくても勝ち切ったりだとか、それはセットプレー一発だったり、後半途中から入ってくる選手だったり、いろんなアクションを起こして決められる部分もあると思う」

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